長野県のカゴメのテーマパークを見学してきました!

先日、長野県富士見町のカゴメの工場兼、野菜のテーマパークでもある
『カゴメ野菜生活ファーム富士見』にフナキと見学に行ってみました。

タブレットを使った工場見学
事前の予約をして入ると大きな部屋に通され、見学者希望の方々とイスに座って待機。
待っているとガイドの方が来られ、まずは大きなスクリーンでカゴメの野菜ジュースがどのようなプロセスで、工場で作られているかを説明してもらいました。
そこから、各人にタブレットを渡されました。

タブレットの画面には「VR」と「AR」と表記されており、ARの機能を使ってくださいとの指示がありました。どのように使うのか疑問に思っていると、次に農園のジオラマがあるところに案内されました。

ジオラマに前には、それぞれの野菜の写真があり
例えばニンジンの写真の前に、タブレットを近づけるとARが反応し
栽培風景などの動画が流れる仕組み。
そのような形で、トマト、セロリ、小松菜などの野菜の栽培動画を見ることに。
今までにないハイテクな見学会でちょっと驚きました。
工場の中身とカゴメの歴史やこだわり
次に見学者で、バスに乗りメインの工場見学へ。
ただ残念なことに、工場の中身に関しては企業秘密で写真撮影は禁止されていました。
撮影可能なところだけ写真に載せています。

入ると最初に、カゴメの商品の「野菜生活100」の歴史のお話。
昔から同じように見えて、日進月歩で進化をしていることを伺いました。

また環境に配慮した形の栽培や二酸化炭素の排出を減らしているなどのCSR的活動の主張をされていました。

さらにカゴメのCSRの一貫として有名なのは、各地域の農作物を活かした地域限定の「野菜生活100」。その商品と地域の分布を表したもの。

たまに地域限定品があるのを見たことがありましたが、これだけあったとは驚きでした。
カゴメのこういった地域活性的な活動ができることはとても素晴らしいと感じます。
また、意外だったのは、味の調整を人の手でおこなっているという所。
「五味識別パネリスト」といわれる認定者がおり、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味を見分けられる人を育成し、季節や地域によって微妙に変わる野菜の味を判断して、都度調整しているとのこと。
大規模化、機械化に特化しつつも、味についての質には強いこだわりをもっていることに感銘を覚えました。
やはり業界トップを走っている真髄が垣間見えた気がします。

その後も、大規模な工場内を見学しながら、最後にカゴメの各部門の社員の想いや役割についてタブレットを使いながら、ひとつひとつじっくりと動画を見る時間となりました。
農作物の六次産業化の最前線であり、頂点を見せてもらいました。
カゴメのマスマーケットの王道戦略
さて、今回カゴメのテーマパークを見て思ったことをまとめてみたいと思います。
一言で言うと
大企業と小規模の六次産業化の戦略は全く違う
ということ。
この点については、もとより研修生や農業関係者に何度も私からも話していたことではありますが、現場を確認した上で改めて感じた感想となります。
六次産業化は、規模によって全く事業そのもの形が変わります。
今回のカゴメの工場では、全国規模で大量の数の商品が毎日作られて、大量に発送されていました。その量たるや、小さな加工場の規模とははるかに違います。
写真や動画がないので伝わりづらいかもしれませんが、その迫力に圧倒されました。
(写真がとれなかったため、建築業者HPから拝借しました)

そして大規模だからこそ、今回の工場見学や商品説明に関して、とても納得することもありました。
私たちが見学前の段階として、テーマパークの話の中身の予測として、トマトや野菜を中心とした健康や食育のテーマが中心であるだろうと思っていました。
しかしながら、健康や食育についての話はほとんど無く、工場のプロセス、歴史、品質管理、社員の想いなどのカゴメの会社のPRがほとんどでした。
これはいわばイメージ戦略として機能の建物となります。
よくよく考えれば、健康についてのコンテンツを発信することはリスクにしかなりません。
野菜ジュースは健康的な側面はあるものの、最近では野菜ジュースでも濃縮還元で糖質の高い野菜ジュースは、ミネラルや酵素が欠け、糖質が血糖値を高めるため、身体にいいものとは言い難くなっています。
そういった評価の中でカゴメの野菜ジュースが健康的であるという主張をするならば、批判されるスキを与えてしまいます。実際に、説明会においては一切、質疑応答の時間は無く一方的な情報発信に終始していました。
改めていいますが、ここでカゴメを批判する意図はありません。
あくまで、大規模な六次産業化では、一定の品質は担保しつつも、手が届く価格帯の中で大量に販売することが最善策であるために、少数の健康志向の顧客は対象とせず、イメージで気軽に購入する大衆に向けのアプローチをしています。
いわゆるマスマーケティングとして王道の戦略になります。
私もカゴメの社長という立場であるならば、同じようなことをやっていると思います。
結果として、経済が動き、地方の経済や農業経営を支えてくれています。
大企業の六次産業化商品と決して戦ってはいけない
ここで改めて大事になるのは、自分たちが六次産業化を進めるにあたって、やはりカゴメのような大企業と競争してはいけないということです。
この点も、自ら何度も語っていることですが、改めて実感しているところです。
さきほど、マスマーケティングという言葉を出しましたが
マスとは「大衆」と意味です。
大衆に向けて、同じようなメッセージを大量に発信することで、認知してもらい購買を促すことが可能です。
次にマスマーケティングとは逆に、小規模の六次産業化については
セグメント、ターゲティング、ニッチ、ペルソナなどのマーケティングの用語があるように全体へのアプローチではなく、できる限り顧客の対象を絞ってアプローチしていく必要があります。
詳細については、また別の投稿でひとつずつ語ってみたいと思いますが
販売するエリア―いわゆる商圏を絞るパターンもあれば
ごく一部の人が好む嗜好品に絞るパターン
大企業には難しいここに合わせた健康志向のパターン
生産者のストーリーや想いを載せて差別化して共感者に売るパターン
などいくつか戦略が出てきます。
少なくとも
決して大企業の商品が並ぶような販売先で売ってはいけないし
同じような価格帯で販売することもしてはいけない
ということです。
頭で分かっていても、知らないうちにやってしまうこともあります。
今回、カゴメに行ったことで、肌感覚でそれを感じることができました。
無理に行く必要はないと思いますが、もし長野県や山梨県を訪れる機会があれば、寄ってみてはいかがでしょうか。
【文責 一般社団法人畑会 代表 山田正勝】