調布の農業コミュニティの最先端の現場を訪問しました

先日、調布市の農業公園の現場を舩木と訪問させていただきました。
調布市の農業公園については、以前の投稿した記事『農業公園というスキームの可能性と課題』にも紹介しています。
その際は、赤坂の東京農村のセミナーの感想でしたが、今回はその現場に行ってみました!
現場の案内役は、その時のセミナーでも登壇していた調布市の若手農家の相田さんです。
相田さんが運営する【SATOYAMA BASE 深大寺】の魅力
まず農業公園の紹介の前に、農業公園の同じエリアで農のコミュニティ活動をしている相田さんの農園にもお邪魔しました。
相田さんは、株式会社TOKYO NOKAを立ち上げ、「野菜を売らない農家」というコンセプトで農業体験や農業コミュニティをベースとした活動を行っています。
今回の農業公園の運営にも関わっていますし、調布市の小学校の子供たちの田植えなどの受入れも積極的に行っています。
相田さんは、親が農家である親元就農であるため、農地を既に持っている状態で農家として活動しています。その農地の一つをコミュニティガーデン【SATOYAMA BASE 深大寺】として運営しており、その場所を案内していただきました。

SATOYAMA BASE 深大寺の入口には、手作りの門でお出迎え。

地域の人達と一緒に活動をするためのメンバー募集のポスター。
こちらのコミュニティガーデンは、『LFCコンポスト』さんという団体さんとともにコミュニティガーデンを作ってるそうです。
LFCは、Local Food Cyclingの頭文字で、地域の生ゴミをコンポストとして利用して農業コミュニティを作る活動をされています。
実際にコミュニティガーデンの中には、木製のコンポストの箱が作られており、ここに野菜や雑草の残渣や生ゴミなどを入れられるようになっています。

農園もLFCコンポストさんや地域の人達と一緒に手作りで作り上げて、とても素敵な空間になっていました。





資材のほとんどをその場所にある木材や竹などを使って作っており、地域循環を象徴するような空間でした。

またBug Hotelという小屋がありました。Bug(バグ)は虫のことです。
昆虫の生息環境を人工的に整えた、自然素材を使った住み家です。虫たちが産卵、越冬、休息などを行うために利用されます。
受粉できる虫やミツバチを増やすために、こういったものが置いてあるのも興味深いです。
深大寺・佐須地域農の風景育成地区 構想図
次に調布市の農業公園を案内してもらうことに。
下記の地図は、調布市が考えている深大寺・佐須地域農の風景育成地区の構想図になります。
黄色で表示されているのが農業公園の場所。離れて2か所あります。
それ以外にも体験ができる田んぼや畑もエリアがあり、市民や市外の人達を受け入れる農地が存在しています。
また自然公園や野草園などもこのエリアに存在しており、調布市民の癒しのエリアを担っています。

調布市の農業公園の様子
まず、北側にある農業公園の案内してもらいました。

こちらの畑は、ソバを植えている畑になります。
調布市といえば、深大寺ソバが有名です。
深大寺ソバで使うそば粉を農業公園で作ろうという活動があり、調布市の食文化の歴史を守るためにも大事な活動だと感じます。
ちなみに後方にあるビニールハウスのエリアも調布市が購入しており、農業公園として拡大予定とのことです。

畑に隣接してあった井戸。
昔ながらの手押しの井戸の形ではなく、最近はこのような形のものが増えてきています。
次に南に下っていくと「子ども畑王国」と書かれた看板がでてきました。

ここは農業公園のエリアではないですが、農業公園の活動の一貫として使われている農地があり、JAマインズさんが運営しています。

こども畑サークルという看板があり、隣にある小学校の生徒さんたちが、活動できる場所になっています。ここの畑の一部で相田さんが農業体験の対応しているようです。

さらに南に進むと、もうひとつの農業公園が見えてきました。
こちら側がメインの農業公園のようです。


こちらが農業公園の管理棟。こちらの農業公園では、『一般社団法人 グッド・コモンズ』さんが運営を任せられていました。とても丁寧にご対応していただきました。

中に入ると、とてもきれいに整備された畑がありました。
さまざまな種類の野菜を作っており、こちらでも農業体験などを行っているそうです。

こちらは農業用の倉庫。きれいに管理されており、農作業がやりやすい環境が作られています。
そして右後方には、水洗トイレがあります。
農業コミュニティを作る上で問題となるトイレ。
仮設トイレではない、しっかりとしたトイレがあると安心して農作業ができます。

こちらは東屋(あずまや)。
庭園などを造る際には、よく一緒に作られる設備です。
こういった屋根がある設備があるだけ夏の暑い日の作業も大分変ってくるので、とても重要な設備になります。
あと写真を撮り忘れましたが、JAマインズさんが管理している畑もあり、そこには果樹を植えて育てている場所もありました。
農業公園の全体の管理はJAマインズさんが統括しており、その中で相田さんやグッド・コモンズさんなどが、役割を分けながら運営しているそうです。
以上が、調布市の農業公園の案内でした。
農業公園として開園自体はされていますが、まだ活動として決まっていないことも多々あるようですので、さらなる進化が期待されます!
最後に案内していただいた相田さんと同行者のフナキ。
(私は割愛させていただきましたw)

まだ20代で若い相田さん。
間違いなく、これからの調布市の農業を支える担い手として活躍されるでしょう。
私たちも彼の姿を見てとても触発されました!
また定期的に訪問させていただこうと思います。
【文責 一般社団法人畑会 代表 山田正勝】