コラム

【市議会ダイジェスト】日本遺産「桑都物語」を、次のステージへ|八王子の文化戦略

更新日:2025年12月30日

令和7年第2回定例会≪一般質問≫

―― 体験・物語・人をつなぐ八王子の文化戦略 ――

令和7年第2回定例会において、
日本遺産「桑都物語」を軸とした、八王子市の文化・観光・産業の今後について一般質問を行いました。

来年には文化庁による日本遺産の評価審査を控えています。
これまでの成果と課題を整理し、次の展開を提案しました。


1.地場産業(織物・ものづくり)の活用について

【質問趣旨】

織物など八王子の地場産業を、文化体験・観光資源としてどう評価し、今後どう展開していくのか。

【市側答弁(産業振興部長)】

  • 八王子オープンファクトリーを開催
  • 織物産業やものづくり企業など25社が参加
  • 2日間で2,653名が来場
  • 職人の技術を間近で体験できたと高い評価
  • 令和7年度も11月に開催予定
  • 多摩織は日本遺産構成文化財であり、海外市場も視野に入れた新商品開発が進んでいる

伝統産業は、新たな価値を生み出しながら持続的な発展が可能との認識が示されました。


2.農業を文化資源としてどう活かすか

【質問趣旨】

農業も代々受け継がれてきた伝統産業。
農業体験や農業文化の可能性をどう捉えているか。

【市側答弁(農林振興担当部長)】

  • 八王子の農業は長い歴史の積み重ね
  • 高倉ダイコン、八王子ショウガ、川口エンドウは江戸東京野菜
  • 農業体験は、収穫だけでなく
    • 農業の歴史
    • 伝統野菜の背景
      を学ぶ機会となり、文化資源としての役割を果たせる

➡ 農業文化そのものが、八王子の重要な魅力であると明確に示されました。


3.インバウンド(外国人観光客)の現状

【質問趣旨】

高尾山を中心としたインバウンドの現状と今後の見通しは。

【市側答弁(産業振興部長)】

  • 高尾山はアクセスの良さと自然・文化的魅力から人気
  • アンケートでは31か国以上からの来訪を確認
  • 欧米、アジア、オーストラリアなど多様な文化圏
  • 今後も増加を見込んでいる

➡ 八王子はすでに「世界から選ばれる場所」になっています。


4.提案:トランスフォーマティブ・トラベル

【質問趣旨】

イベントやバスツアー中心ではなく、
心の変化を促す「トランスフォーマティブ・トラベル」を導入できないか。

【市側答弁(産業振興部長)】

  • 日本遺産制度そのものが、体験と物語を重視する考え方
  • 高尾山の自然や歴史文化は、訪日外国人にとって魅力的
  • 今後は
    • 背景にあるストーリーの発信
    • 知的好奇心に応える取組
      を充実させ、満足度向上を図る

➡ トランスフォーマティブな視点は、日本遺産の方向性と合致しているとの認識が示されました。


5.多言語対応・受入環境整備について

【質問趣旨】

体験型観光を進める上で、多言語対応や通訳人材をどう強化するのか。

【市側答弁(産業振興部長)】

  • 観光パンフレットやポータルサイトの多言語化
  • ガイドボランティアの育成
  • 観光受入団体への多言語対応支援
  • 今後も地域の声を聞きながら連携を強化

6.文化資源の「体験型活用」と保存の両立

【質問趣旨】

展示・鑑賞型から、参加・体験型へどう転換していくのか。

【市側答弁(生涯学習スポーツ部長)】

  • 機織り体験、車人形、市内文化財見学事業を実施
  • 八王子城跡での市民参加型イベント
  • 令和8年10月開設予定「歴史・郷土ミュージアム」では
    • 見て
    • 知って
    • 触って
    • 体験できる
      新しい博物館を目指す

7.日本遺産「桑都物語」の成果と今後

【市側答弁(産業振興部長)】

  • 認定以降、人材育成・普及啓発・調査研究を実施
  • 日本遺産フェスティバルin桑都・八王子
  • 桑都千景、APEC中小企業作業部会の開催
  • 今後は
    ブランディング強化と民間活用の促進に取り組む

8.人材(ナビゲーター・コーディネーター)の必要性

【質問趣旨】

行政任せにせず、分野横断で支える人材育成が必要では。

【市側答弁(産業振興部長)】

  • 日本遺産を横断的に活用できる人材は重要
  • すでに民間が担う事例も生まれている
  • 今後、地域人材の発掘・育成を拡充していく

【初宿市長答弁】

八王子市は、日本遺産構成文化財をはじめ、農林業や市民の営みによって形成されてきた里地里山など、非常に豊富な文化資源を有している。

これまで、日本遺産「桑都物語」推進協議会(15団体)を中心に、民間・大学と連携した取組を進めてきた。
帝京大学は文化庁の日本遺産サポーター大学にも登録された。

さらに、令和8年10月に開設予定の「桑都の杜」を拠点として、桑都八王子の歴史文化に触れる機会を提供していく。

今後も、地域住民・産学官との連携により、文化資源を有効に活用し、新たな文化を創生しながら、未来へ引き継ぐ責任を果たしていく。


まとめ

守る文化から、活かす文化へ

そして、次世代につなぐ八王子へ

八王子には、
すでに世界に誇れる文化資源があります。

これからは、
市民・民間が主役となり、体験と物語を価値に変える段階へ。

日本遺産「桑都物語」を、
八王子の未来を支える本物のブランドへと育てていきます。