コラム

【市議会ダイジェスト】農業を「産業」として育てるために

更新日:2025年12月30日

令和7年第1回定例会≪一般質問≫

― 農業振興と土地利用の壁をどう越えるか ―

八王子市の農業を「産業」として発展させる可能性と、その際に立ちはだかる土地利用・法制度上の課題について、市の考えを問い質しました。

農業を産業イノベーションの柱に

近年の物価高騰や農業資材の値上がりは、農業経営を一層厳しいものにしています。一方で、こうした状況は市民の「食」や「農業」への関心を高める契機にもなっています。

私は、八王子市産業イノベーションプランの「地域資源の活用」という視点から、

  • デジタル技術の活用
  • 農産物のブランディング・マーケティング
  • 農業体験のコンテンツ化

など、農業を核とした新たなビジネスチャンスの創出について確認しました。
市からは、産学官民の連携により、農業分野でも「稼ぐ力」を高めていく方針が示されました。

市街化調整区域と市街化区域、それぞれの農地の課題

農地の性質は、

  • 市街化調整区域:農地がまとまり、継続的な営農に向いている一方、ライフライン整備や作業効率に課題
  • 市街化区域(生産緑地):ライフラインは整いやすいが、長期の営農義務や所有者の高齢化が課題

と、それぞれ異なります。

特に、高月町で策定された地域計画の経験を今後に生かし、地域主体で農地を守る仕組みづくりを進めていく考えが示されました。

企業参入を阻む「見えない壁」

農業分野への企業参入やスマート農業の展開を進めようとすると、

  • 都市計画法
  • 建築基準法

といった別の法律が障壁となり、加工場や作業施設が建てられないケースが多くあります。
私は、この「制度の壁」を乗り越えることが、農業振興と産業振興の両面で大きなチャンスになると指摘しました。

土地利用施策は柔軟に運用できるか

市からは、都市計画マスタープランに基づき、

  • 農地の保全と活用
  • 農泊や農家レストランなど観光・地域振興への活用

など、農地の多様な機能を生かすため、土地利用施策を柔軟に運用していく考えが示されました。


【副市長答弁】農業は都市の価値を高める重要な産業

中邑副市長からは、次のような力強い答弁がありました。

農業は、食料生産としての産業的価値に加え、環境、防災、教育、憩いといった多面的な機能を有する、都市にとって非常に重要な存在である。
国の法改正も踏まえ、多様な担い手の参入を促しながら、民間事業者による農地活用も含め、農業施策と土地利用施策の両面から、さらなる農業振興を検討していく。


まとめ

農業は「守るべき存在」であると同時に、
産業として育て、地域課題の解決につなげる可能性を持つ分野です。

部局を越えた連携と、制度の柔軟な運用によって、
八王子の農業が次のステージへ進むことを、今後も強く求めていきます。