コラム

【市議会ダイジェスト】八王子の農業振興と森林環境税について

更新日:2025年11月28日

令和5年 第3回定例会・一般質問

八王子の強み「緑と農業」をどう未来につなぐか

――農業振興と森林環境税について――

2023年9月7日の一般質問では、
八王子の大きな魅力である 「緑」「自然」「農業」 を、
これからの時代にどう活かし、どう守り、そしてどう「稼げる仕組み」にしていくかについて質問しました。

浅川、公園、農地、高尾山――。
市民の生活に当たり前のように寄り添っている自然は、全国的に見ても希少で、八王子が持つ大きな可能性そのものです。

今回はその中でも 「農業」「森林環境譲与税」 に焦点を当て、以下のテーマで質問を行いました。


1.八王子市の農業と JA 八王子との連携について

▶ 舩木の質問

八王子は東京都内でもトップクラスの農業都市です。

  • 農地面積:780ha
  • 農業生産額:25億円(都内随一)
  • 農家数:1,012戸

道の駅八王子滝山や学校給食センターなど販路も広がり、
特に 学校給食への地場野菜の導入 は大きな転換点です。

こうした状況の中、市と JA 八王子がどのように連携して農業振興を図っているのか伺いました。

▶ 市(農林振興担当部長)の答弁

  • 市と JA は令和元年に 都市農業の振興と農地保全に関する協定 を締結。
  • 担い手育成、安全・安心な農産物供給、地産地消の推進を連携して実施。
  • JA はイベント運営や災害協定など、地域全体の振興にも広く貢献している。

2.学校給食センターと JA 八王子の関わりについて

▶ 舩木の質問

給食センターは中学校 5〜6校分の大量調理を行うため、
複数農家からの出荷調整が不可欠です。

JA がどのように関わり、どんな役割を担っているのか伺いました。

▶ 市(学校教育部長)の答弁

  • 給食センターで必要な野菜は非常に多い。
  • JA が農家を取りまとめ、収穫量と注文量を調整しながら安定供給 を実現。
  • 農家は出荷量の見通しが立ち、安心して生産できる環境になった。

3.農家の現状把握と要望の収集について

▶ 舩木の質問

コロナ禍や物価高など社会情勢の変化が大きい中、
市は農家の声をどのように拾い上げているのか伺いました。

▶ 市(農林振興担当部長)の答弁

  • JA、東京都農業改良普及センターから日常的に情報収集。
  • 農業委員からの意見も随時受け取っている。
  • 個別の課題は農家本人から直接聞き取り、現状把握を行っている。

4.舩木の提案:

給食を通じた「生産者 × つくる人 × 子ども」の交流機会を

学校給食センターが地場野菜活用の中心になっている今だからこそ、

  • 生産者(農家)
  • 給食調理員
  • 子どもたち・先生たち

この 3 者が一堂に会する 「交流給食」 の開催を提案しました。

食育の深化、地元農業への理解促進、農家の働きがい向上につながる取り組みになると考えています。


🌲森林環境税・森林環境譲与税について

八王子市域の約 4 割は森林。
都市部でこれほど豊かな森林を抱える自治体は全国的にも非常に珍しく、
まちの魅力そのものです。

森林環境税(年1,000円の国民課税)により、八王子にも 森林環境譲与税 が毎年配分されています。


5.森林環境譲与税の使い方と今後の方向性について

▶ 舩木の質問

森林は「守る」だけでなく「活かす」ことで、
教育・観光・地域産業など、八王子の未来づくりに大きく貢献できます。

そこで質問しました。

  1. これまで八王子市は森林環境譲与税をどう使ってきたのか
  2. 今後どのような方向性で活用していくのか

▶ 担当部長の答弁(要約)

【これまでの活用】

  • 間伐などの 森林整備
  • 林道・作業道の整備
  • 森林所有者への支援
  • 専門人材の配置などの体制強化

国のガイドラインに沿って適切に執行し、
特に「森林整備」を中心に活用してきたと説明しました。

【今後の方向性】

  • 森林の公益的機能(水源涵養、災害防止等)を重視し、整備を引き続き実施。
  • 市内産木材(多摩産材)の利用促進にも取り組む。
  • 森林学習・教育活用は、関係部局と連携しながら今後検討。

ただし、舩木が求めた
「教育・観光・地域産業としての森の活用」
については具体策は示されず、今後の課題とされました。


▶ 市長答弁(要約・重点)

市長は以下のように述べました。

【市長の認識】

  • 八王子の森林は、市民生活の質を支える重要な資源である。
  • 森林環境譲与税は、まずは 森林整備を着実に実施することが最優先 との立場。

【森の“活用”への姿勢】

  • 一方で、
    「森林を教育・環境学習・にぎわいづくりに活かすことも意義がある」
    と明確に言及。
  • 今後、庁内連携を図りながら、活用の方向性を検討していくと回答。

【市民への説明責任】

  • 森林環境譲与税の使途について、
    市民の理解を得られるよう情報発信を強化する
    と述べ、透明性向上にも取り組む姿勢を表明しました。

◆まとめ

今回の一般質問では、八王子の強みである 「緑」と「農業」 を未来につなぐため、

  • JA との連携強化
  • 給食センターを軸とした地場野菜の安定供給
  • 農家の現状把握と要望収集
  • 交流を通じた食育の充実
  • 森林環境譲与税の透明化と活用の拡大

など、八王子らしい農と森の政策づくりについて議論しました。

特に、
市長が「森の活用」に前向きな姿勢を示したことは、
今後の八王子の森林政策にとって大きな一歩です。

引き続き、
“都市と自然が共存するまち・八王子” の価値を高める政策提案を進めてまいります。