みやまの美しい自然の中で、誰もがリトリートできる場所を創る
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先日、一般社団法人 みやま郷に訪問し、代表の小林ますみさんにお話を聞いていきました。

小林さんは社会福祉士、精神保健福祉士などの資格をお持ちで、普段は福祉の相談支援事業所を行っている方です。
相談支援事業所とは、障がいがある人の相談を専門に受け付けている機関。
幅広い障がい者の要望や悩みに対して、必要な情報を提供したり、福祉サービスの利用をサポートしたり、権利擁護のための必要な援助する機関です。
地域の人たちが集まる古民家 みやま郷
そんな小林さんが、それ以外にも障がい者の方を支援する活動をしています。その一つが【みやま郷】という施設。


古民家を改装して、地域の人たちや障がいを持つ人たちが気軽に集まって交流できる場所として作られました。
この古民家は、元々小林ますみさんの生まれ育った家であるで、改修工事をして生まれ変わったものであります。
古民家にお邪魔すると、古民家に合う立派な囲炉裏が迎えてくれました。

囲炉裏の屋根の奥を見ると小さな穴があり、ここから煙を出すそうです。

隣の部屋には、床の間が拡がり、和室の穏やかな佇まいを感じます。

また奥の部屋に行くと、大きな鎧兜がでんと構えられていて、ちょっと驚いてしまいました。

古民家自体には、大きめの柱や梁が使われおり、地域の木材である多摩産材が使われています。

みやま郷は、お互いを支え合い、生涯自分らしく生きることができる地域
社会の変化に見合う持続可能なモデル地域を創出することを目的としているそうです。
先日も、ここでラベンダーを使った精油作りのワークショップを地域の人達と行ったそうです。
その機械がこちら。

水蒸気蒸留器といって、ハーブを加熱して精油の蒸気を抽出。
それを冷却水で通すことによって、精油(エッセンシャルオイル)を抽出。
副産物として、芳香蒸留水(フローラルウォーター)を抽出することができます。
地域をつなぐ機会として、ここでもやはり農業が密接に関わってきますね。
リトリートという癒しの隠れ場
また、このみやま郷の施設以外にも、児童養護施設「さとごろりん」の見学。
中までは見ませんでしたが築200年の古民家を最大20名が宿泊できる施設に改修。
こどもたちが里山を楽しめる別荘のような場所になっています。

次に社会福祉法人みずき福祉会 「八王子平和の家」へ訪問。
こちらは、障がいをお持ちの方の入所施設。優しい黄色い建物になります。

こちらの建物のそばには、さきほど精油作りに使ったラベンダーが植えてあります。
時期的には、最盛期は終わりましたが、まだ少し残っていました。

またラベンダー以外にもレモングラスを栽培。
レモングラスは乾燥させて、ハーブティーとして相談事業所でも販売していました。

小林さんは、福祉の活動と共に農業の要素を取り入れながら
障がいをもった人や子どもたちに穏やかな自分の居場所を作る活動をしています。
小林さんは最近の言葉でもある「リトリート」という言葉を使っていました。
リトリートとは、日常生活から離れてリフレッシュする時間をもち、心身ともにリセットするとい意味であり、都市部で働き詰めの社会人の癒しの場所として提供されている場所やサービスとして使われることがあります。
ただリトリートの本来の意味は、避難所や隠れ家の意味になります。
小林さんは、障がい者の方や子どもたちを、隠れて避難できるような場所を提供しつつ
感情、心の開放を図り、脳の機能やストレスを解消することで治療につなげていきます。
一般的な心療内科の対応は、感情や心を抑制するような薬を日々飲まされることで社会や大人たちがコントロールしやすいようにできています。
現実社会においては、そういった側面は止む得ない場合もあると思いますが
これだけでは、傷ついた心や脳の機能は改善されません。
小林さんは、このようなリトリートできる場所をたくさん作り
多くの悩まれている方々のサポートを続けています。
福祉の窓口を統合して、安心して相談できる体制を
小林さんの情熱は、留まることを知りません。
小林さんは、福祉についても熱く語ってくださいました。
その中の一つとして、八王子市の基幹相談支援センターの仕事を引き受けるかに悩まれていました。
基幹相談支援センターは、地域の相談支援の拠点として総合的な相談業務(身体障害・知的障害・精神障害)などを行っている場所です。

八王子市でも他の市でも問題なるのは、行政の縦割りの仕組みによって福祉関連の窓口が複雑でなっていることです。
困っている人たちが、たらい回されたり、適切な対応できないことを舩木も同じようなことを感じており、ここで意気投合。
いろんな現状をお話してくださいました。
その反面、基幹相談支援センターでは、個別の相談業務にも取り組みますが、相談支援事業所を含む関係機関同士の連携強化や、各事業所で対応がうまくいかない場合のサポート・指導もおこないます。

小林さんは、基幹相談支援センターの仕事を受けるか迷われていたようですが私たちと話していく中で基幹相談支援センターの仕事を受けようかなと仰っていました。
とても難しく高度なお仕事を受けようとする小林さんの覚悟に心打たれました。
私たちとしても、これから小林さんの想いに応えられるようサポートしていきます!

文責 一般社団法人 畑会 山田正勝